お宝小箱

　ある本の中で紹介されていたKさんのコーヒーカップ。ふくよかな白、温かみを感じる形。心に焼き付きました。本当に心惹かれたものは、いつまでも、心に残るものです。たった一枚の写真で出会ったそのコーヒーカップ・・・は、後から後からおしよせてくる新しい情報にも流されることなく、いつか是非手にとってみたい器として私の心に留まり続けていました。そして今回の九州の旅で、その願いが適ったのです。　

　陶房に並ぶたくさんの器たち。どれもこれもほんとぉーぅに素敵です。この大皿には鰹のたたきを盛り、たっぷりの白髪ネギと、青紫蘇の刻んだものを盛り、上からギュッとスダチを絞って食卓に並べたら、どんなにおいしいだろぅ・・・。この小鉢には、もぎたてのトマトを切って盛り、バジルを散らしオリーブoilをタラ〜リかけたらさぞ美しいだろぅ・・・。どの器を手にしても、すっと、暮らしに馴染んでいく風景が浮かんできます。

　「う〜困った・・・」と随分迷いましたが、まだ旅の前半だったのでおおぶりな器は泣く泣く諦め、今回はお湯のみと、念願のコーヒーカップを分けていただくことにしました。

 　コーヒーカップは種類が多く迷ってしまいましたが、写真↑の二客を選びました。幅広の面取りがされたものと、細いしのぎのカップです。みるからにおいしいコーヒーがいただけそうでしょ!!　そうなんです!!　おいしく、しかも使い心地も抜群なんですょ。

　

お湯のみも心惹かれるものばかりでしたが、勢いのある力強いしのぎ模様のお湯のみを求めました。ぽっこりとしたフォルムと、強いしのぎの面が、手にしたときに掌に落ち着く感じ・・・お気に入りのお湯のみになりました。 　突然お訪ねしたにも関わらず、暖かな笑顔で迎えてくださったKさんと奥様。そのお人柄にもすっかり魅せられた私です。本当に本当にありがとうございました。