お宝小箱

バターケース

　普段の暮らしに欠かせない道具なのに、なかなかお気に入りの「もの」が見つからないということ・・・よくあります。バターケースもそんな「もの」の一つでした。初代ケースはガラス製。シンプルなデザインが気に入っていたのですが、ガラスがすぐにバターで汚れてしまうのが難点でした。ガラスが汚れてしまうのが嫌で、バターを包んでいる紙ごとケースにいれて使っていたのですが、最初はよくとも、段々バターの量が減ってくると使いにくい。それでもデザインが可愛く気に入っていたので使い続けていました。でも数年前、バターの油で手元が滑って、「パリン・・・」とうとう落として割ってしまったのです。可哀想なことをしてしまいした。以後、なかなか気に入ったモノが見つからず・・・。結局使わなくなっていた漆のお弁当箱で代用していた私です。

　そんな時に知ったのがMさんのバターケースです。使って嬉しい道具として、雑誌で愛用者の方が紹介していたのです。これだーと思いました。バターにピッタリサイズで作られたスペースにバターを直接入れます。バターの油がすこしづつ沁みこんでいい色艶になってくるとのこと・・・。「ほぉーっ、なるほど」と納得デス。ガラス製を使っていたときには悩みの種だったバターの曇り。相手が木なら、色艶になるんだぁと「目から鱗!」でした。去年の秋。千葉での『工房からの風』でMさんにお会いした正宏さんが頼んでくれました!　そうしてやってきたのが写真のバターケースです。素材は桜の木。今は柔らかな色をしています。時折ケースについてしまったバターは、木にしみこむわうにいいこいいこ・・・。以前は悩みだったペタペタも、むしろ楽しく思えるから不思議です。

　我が家の食卓は、友人の家具職人に作ってもらった桜材の机です。使い始めて6年・・・今では随分いい色艶になっています。このバターケースはどんな風に育っていくかな・・・。楽しみです。